江川町は江川漁港を中心とした漁村で、江戸時代には江川浦と呼ばれていた。現在の戸数は約200軒(300人)の家がある。昭和30年代にはその3倍以上の戸数があり1000人以上が住んでいた。その最盛期には勝浦沖までサンマ漁に出漁することもあった。

現在、江川町は輪番で恵比寿組のお笠と大黒組のお笠を担っている。8町に分かれており、2016年までは4年に一度、担当町が2基のお笠を担うことになっていた。また住矢は4年のうち間の年で担当町がまわっていた。現在は戸数が減少し、2年前からこれらのお笠を町全体で担うことになっている。

住矢(すみや)

 江川町が笠鉾巡行で担当するのは住矢です。

 住矢とは、その名のとおり、町々の住居を矢のように走って厄を祓い清め、一年間は無事の安泰を祈願する役を果たす衣笠です。

 また、常に神輿や笠鉾の先頭にたって巡行路を清めていきます。一度通った道を後戻りすることはなく、右に廻らないのがしきたりです。

 住矢の御神体は松にあります。7~9段の枝があって形の良い雄松を選び、葉をふのりで固め枝ぶりを整えます。

ちなみに、江戸時代は江川浦と呼ばれ、当時から漁業が盛んでした。

 

 

恵美須(えびす)

 漁業、農業、商業の神で、お面は厳しい鬼のように思われますが、衣装を着けると穏やかで親しみのあるお顔になります。七福神のひとりである恵比寿と同じです。

 

大黒(だいこく)

 七福神のひとりで大黒天で、五穀豊穣の神です。「大黒さま」の組み立てや解体は、衆目から守るために四方に幕を張って2・3人の限られた人が行います。

 当番町でも、その様子を知っている人は僅かです。江川町の笠鉾は、江戸時代から現在まで恵美須と大黒が飾られています。